忍者ブログ
(株)トミーウォーカーのPlay By Web『SilverRain』『無限のファンタジア』のキャラクター達の共用ブログ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2024/11/24 (Sun)

先日、行って来た依頼の報告書が上がってきた。
サポートによる参加を除けば、俺にとってはこれが初めての依頼となる。

――結婚式直前に事故死した、花嫁のリビングデッド討伐。

最愛の花婿を喰らい、偽りの生を手にした花嫁。
彼女が滅びた時、その瞳は何を映していたのだろう。

命の熱を失い、冷え切った手。
白い手袋越しに触れたその感触が、今もなお忘れられない。

 

リプレイ『花嫁衣裳と甘い口付け』(泉河沙奈MS)

PR

――自分探しの旅に出る。

そう言って、あいつは単車に跨り、夜の闇の中を走っていった。

今回のソフトボール大会、俺は9番ピッチャーで出場したんだが……。

7試合で18死球ってどういうことだ俺。


――い、いや違う、決して故意ではない。それだけは信じてくれ。

ま、ましてや。
第4回戦、2回表の大暴投は、その直前に翳が死球を喰らったことに動揺したわけではないからな!?


……いや、なんだ。
しょ、正直すまなかった……(土下座)


とまあ、投手がこんな穴だらけであったにも関わらず。
チームメイトが守備と打線を固めてくれたおかげで、どうにか4勝を上げることができた。
『米沢デンジャラス』のメンバーと、応援してくれた級友には、この場を借りて感謝の言葉を述べたいと思う。皆、本当にありがとう。

――あと、第5回戦で対戦した白馬に言っておく。
この借りは、いずれ必ず返すからな……覚えておけよ。



それにしても……俺は球技が苦手だったのだろうか……。

【戦績】『米沢デンジャラス』勝ち点9(7戦4勝2敗1分)

その日は、暖かな日差しの晴天だった。
強い風もなく、大樹の幹に背を預けていると、木漏れ日が程よい眩しさで降り注いでくる。

ここのところ、俺はこの光溢れる庭で、桜を伴って昼寝をすることが増えた。
いつもは結社メンバーの姿が一人か二人は見受けられるのだが、今日に限っては誰もいない。
制服の懐に収まって丸くなる桜を軽く撫で、瞼を閉じる。

穏やかな静寂の中、波のように押し寄せる眠気に身を委ねようとした、その時。
草を踏みしめる小さな足音が、俺の耳に届いた。

出会いそのものは、ごくありふれたものであったと思う。

互いに、同じ結社の一員として。
あいつは俺を名で呼び、俺はあいつを姓で呼んだ。

そのうちに、俺はあいつを名で呼ぶようになり。
あいつは、俺を兄と呼ぶようになった。

――寅兄。

まだ耳に慣れないその響きが、今はどこか心地良い。

自宅から歩いて数分のところに、よく足を運ぶ小さな花屋がある。
ただし、そこで俺が、生ある者に贈る花を買うことはあまりない。

選ぶのはほとんど、既に死したる家族に供える花だった。
我が家では、祖母への花を祖父が、両親への花を俺が、それぞれ買うのが常となっている。

4月25日。
今までの俺にとってこの日は、ただ、年齢を一つ重ねる節目に過ぎず。
よって、今年も、何事もなく過ぎ去るものだと思っていた。

しかし――

初めて『大樹のある光庭』からの出場となった、第6回バトルカーニバル。
俺たちは初戦を辛くも勝ち残り、そのまま2戦目の開始を迎えていた。

先の試合で前線を支えた深淵と、シャーマンズゴーストのチカは既に戦えず、俺と翳もダメージが大きい。
辛うじて無傷なのが白馬だけという状況で、実力の拮抗した4人チームを相手にするのは、どう考えても無理がある。

しかし、俺はこの勝負を捨てる気などさらさら無い。
後ろには、消耗した翳の姿。盾役を買って出たにも関わらず、1戦目ではフォローが間に合わなかった。

どこまで護りきれるか――それが、俺の戦いだった。

再び訪れた戦い。――その、出発の朝。
俺は、やや複雑な胸中を抱えて、自宅の玄関で靴の紐を結んでいた。

すぐ後ろでは、飼い猫の“桜”が、丸く青い瞳を俺に向けている。
短く鳴き声をあげた頭を軽く撫でた後、俺は腰を上げて家を出た。

 俺の心配なら、今回はいらない。無事を祈るなら、むしろ――

わざわざ見送りにきた桜の姿を思い浮かべ、微かな迷いが胸をよぎる。
この戦いで、俺は前線に立つことを許されない身だった。

“戦争”が終わり、学園には束の間の平穏が訪れていた。

数日後には、土蜘蛛たちが篭城を続ける“葛城山”への対処を決めなければいけないが、傷ついた者も数多くいるこの状況では、まずは身体を休めるのが先決だ。

戦うにしても、それ以外の道を選ぶにしても、態勢を整える必要がある。

Powered by ニンジャブログ  Designed by ピンキー・ローン・ピッグ
忍者ブログ / [PR]