――強くなりたい。
最近の僕が考えていたのは、ただそれだけで。
だから。一人でゴーストタウンに行こうと思ったんだ。
誰かのそばに居られる強さ。
誰かを支えられる強さ。
欲しいものが手に入るかどうかは、わからなかったけど。
他に、僕はいい方法を思いつけなかった。
先日、行って来た依頼の報告書が上がってきた。
サポートによる参加を除けば、俺にとってはこれが初めての依頼となる。
――結婚式直前に事故死した、花嫁のリビングデッド討伐。
最愛の花婿を喰らい、偽りの生を手にした花嫁。
彼女が滅びた時、その瞳は何を映していたのだろう。
命の熱を失い、冷え切った手。
白い手袋越しに触れたその感触が、今もなお忘れられない。
また流茶野からバトンが回ってきたんだが……。
これは一体何の嫌がらせだ。
――まあ、受け取ってしまったものは仕方が無い。
ここは潔く回答させてもらう、が……。
(小声で)
……覚えていろよ流茶野。
流茶野からバトンが回ってきた。
一緒に手渡されかけた猫バトンはその場で叩き折ったので、これくらいは回答してやらんといかんだろう。
しかし、バトンの題材が格闘ゲームとは。
背後はともかく、俺には少々難しい気がするな。