学園祭が終わった翌日、“ゴーストタウン”に俺たち二人を誘ったのは白馬だった。
目的は例によって楽器の素材集めらしいが、それならば、わざわざ翳まで呼ぶ必要は無いように思える。
まして、白馬本人は「二人でゆっくり来い」と言ったきり、一人で先に進んでしまっていた。
人手が要るにしては、どうにも理解に苦しむ。
「この辺りは、もう安全でしょうか……」
何体目かのゴーストを倒した後、周囲の様子を窺いつつ翳が言う。
今回はいつも狩場としている廃ホテルではなく、県内にある国際センター跡地へと足を踏み入れていた。
俺も翳も、ここを攻略した経験は少なく、その分、慎重にならねばならない。
新手が来ないことを確かめた後、さらに探索を進めようとした、その時。
部屋の奥側に一歩踏み出した翳の足元が、大きく音を立てて崩れた。
今日と明日は学園祭。
色んなイベントや、模擬店や、出し物があったりして。
学校中、とっても賑やか。
僕たちにとって、高校生活最後のお祭りだもの。
目いっぱい、楽しまなくちゃ。
7月の午後、大樹の木陰。
照りつける太陽も、ここでは木漏れ日となり、まばらに小さな光を落とす。
涼しげな風が、俺の傍らで眠る桜の髭をそっと撫でていた。
流れる音楽は、控えめながら澄んだ歌声。
そして、そこに重なる、二本のギターの音色。
学園祭は、もう明日に迫っている。
神凪のところで見かけて、気になったのでやってみた。
自分の回答と答えを照らし合わせて、かなり後悔したのは内緒にしておく……。
心理テストの答えは、一番下に解説を交えて置いてある。
回答する予定がある者は、終わるまで見ない方が良いだろうな。
今回答えた中では唯一、打ち返しではない回答かな。
考えてみたら、ここまでは全員が女性だったのか……お題。
これはこれで新鮮というか、むしろ答えやすそうな気もするな。
学園バトン第3弾、空ちゃんからの打ち返し分だよ。
何だか、学校系のバトンだけ、やたらと答えるのに手間取ってるのは気のせいかな?
……やっぱり、後ろの人の年齢があれだかr(雑音)
(何事も無かったかのように)
――さ、それじゃあ行ってみようか。
「渕埼、使えそうな指をしているね。ギターは?」
学園祭が近付いてきたある日、俺にそう声をかけたのは御車だった。
光庭では、紅茶や菓子などを用意して木陰を憩い場とし、演出の一貫として、可能な者は楽器演奏でも、という話が出ている。
音楽に精通したメンバーが多い光庭においては自然な流れであっただろうが、まさか、そこで自分に振られるとは思わなかった。
楽器は所持してはいるものの、俺のギターの腕はお世辞にも褒められたものではない。
「折角の機会でもあるし、聴かせたまえ。天粒も喜ぶ」
さらりと、しかし有無を言わせぬ調子で。
“天粒”と名付けられたモーラットを撫でながら、御車はそう口にした。
「……了解した」
勢いで首を縦に振ってしまったのは、モーラットのつぶらな瞳の威力ゆえか。
かくて、俺は学園祭でギターを持ち出す羽目に陥ったのだった。
先日、深伽から渡されたバトンの回答を、と思ったんだが。
題材が題材だけに、以前の『格闘ゲームバトン』より格段に難易度が高いんだよな。
そもそも、(背後含め)この手のゲームをやらない人間はどうしたらいいんだ……。
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