寅ちゃんが円ちゃんからもらってきたバトンを、僕も受け取ってみたよ。
こういうの初めてだけど、何だか緊張するね。
あちこち大変だったけど、対象は暇ツブのみんなってことで。
もし、名前が出ているのが嫌な人がいたら言ってね。
その時は、すぐに直させてもらうから。
あと、質問の内容はコメントに書いてくれればお手紙で送るよ。
中身知っちゃったら、バトン受け取らなきゃいけないみたいだけどね(笑)
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3月に入ってからも、暇ツブ結社は相変わらず賑やかで楽しい。
雛祭りには、みんなで仮装して、平安貴族ごっこで遊んだりもした。
僕は思い切って雛壇を背負って行ったりもしたんだけど……。
最後の写真撮影でみんなに乗られて、あっさり潰れちゃった。
あは、やっぱり慣れないことはするものじゃないね。
空ちゃんには「根性無し」って怒られるし、散々だったよ。
それでね、こないだの月曜からは“学園黙示録”が始まったんだ。
学校のプールの地下で、お昼休みに能力者の生徒同士がチームで戦うっていう大会なんだけどね。
暇ツブでも、その大会に何チームかで出ることになって。
寅ちゃんはチームのリーダーとして、空ちゃんたちと一緒に出場することになったんだ。
空ちゃんと寅ちゃんに、ゴーストタウンに連れて行ってもらったよ。
僕はまだまだ足手まといだったけど、二人のおかげで助かっちゃった。
でも……。
空ちゃんと喧嘩しちゃった。
――というより、僕が一方的に怒らせちゃったんだけど……。
ちょっと長くなるけど、聞いてくれる?
まず、土蜘蛛の屋敷からみんなが無事に帰ってくることができて良かった。
空ちゃんとは、別々の班だったからちょっと心配だったけど、やっぱり空ちゃんはすごいね。
僕は話に聞いただけだけど、いっぱい活躍してたみたい。
僕も、もう少しみんなの役に立てるようになれればいいんだけどな。
先の戦いで死んでしまった女の子は戻らないし、土蜘蛛との戦いもまだ終わらない。
でも、ひとまず。今回出発した全員が戻って来れたことを、喜ぼうと思う。
もう、悲しい顔の人は、増えてほしくないから。
――ごめん、ちょっと暗い話になっちゃったね。
ええと、今日はそれだけを言いに来たんじゃなくって……。
実は、驚くような嬉しいことがあったんだよ。