黙示録は1回戦を不戦勝で突破し、2回戦からの戦いとなった。
俺は鎖鎌装備で標準AI、術式攻撃力の高さに賭けて爆水掌と手裏剣をセットしてみたが、元の術式の能力値がそれほど高くないので、やはり決め手に欠けたようだ。
(防御力のバランスを優先し、あえて術式特化にはしなかったため、これは予想の範囲内ではあるが)
盾役としても中途半端になってしまい、肉体凌駕も2回止まり。
前線が早々に維持できなくなってしまったのは、特に後列にいた宵凪や桐条に対して非常に申し訳なかったな。
バトルカーニバルは黙示録の反省を活かし、ガード効果の高い布槍に持ち替え、アビリティも龍顎拳と分身を8回ずつ積んでより盾に専念する構えとした。
最近ではAIも連携を組み立てるようになっているから、上手く機能すれば後半戦にも分身を残すことができる……という目論見だったのだが。
攻撃を引き付けるために前衛設定としたのが仇となり、突出して早々に落とされるという醜態を演じてしまった。
ああいう局面こそ、肉体凌駕でも何でもして持ちこたえるべきだろうに、不甲斐ないことこの上ない。
おかげで、チームは2戦目以降を3人で戦う羽目に陥ってしまったが……。
ここは、流石は神凪たちと言うべきだろう。
数の不利をものともせずに、一人ずつ着実に落として最終的に勝利を収めた。
ただ、ここで神凪も倒れてしまったため、2対4で迎えた3戦目は序盤から厳しい図式になってしまったが……。
自分が戦えない状況で、仲間が次々に倒れていく状況というのは、本当に悔しい。
大会であるから良いものの、これが実戦であったら洒落にならないだろう。
俺も、これからもっと力をつけねばならないな。
最後になったが、この場を借りてチームメイトの3人と、装備を融通してもらった久我、宵凪には心からの礼を言わせてもらう。
結果は残念ではあったが、事前の話し合いも含めてこのチームは非常に楽しかった。
また機会があったら、是非一緒に戦いたいところだ。
――これで、今回の黙示録も一段落。
そろそろ来週の“土蜘蛛戦争”の準備も本格的に行わなくてはならない。
俺のポジションは最終防衛線の死守を任務とする“ラストスタンド”。
次は実戦。気を抜けば、それは即座に誰かの死に繋がる。
俺はまだ死ぬつもりは無いし、誰かの死を看取りたくも無い。
まして、俺たちの後ろに、戦いを知らない多くの人々が日々の暮らしを営んでいるとあれば。
決して、負けるわけにはいかない。
【戦績】『肉体凌駕は三回以上!』
予選2回戦目で敗退(不戦勝1回)/バトルカーニバル:2連勝
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