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(株)トミーウォーカーのPlay By Web『SilverRain』『無限のファンタジア』のキャラクター達の共用ブログ。
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2024/04/20 (Sat)

闇の中、俺の意識はゆっくりと沈み続けていた。
身体の感覚は希薄で、痛みも寒さも、何一つ感じない。

見えず、聴こえず、指先に触れるものすらなく。
ただ、闇だけが深さを増してゆく。

俺は死ぬのだろうか。それとも、もう死んでいるのだろうか。
まるで、見当はつかなかった。
解っているのは、このまま流れに身を任せるしかないという事実。
抗う術は、何一つ残されていない。


ふと、残していく者たちの顔が、脳裏に次々と浮かび上がる。

ただ一人の肉親と、小さな家族。
結社で出会い、語らった友人たち。
肩を並べ、背を預けた戦友たち。

――できれば、別れの言葉くらい、伝えておきたかった。


今は旅先にある、血の繋がらない弟。

――お前の帰りは出迎えてやれそうにない……どうか、許してくれ。


そして……翳。

――すまない。俺の至らなさが、君にそんな顔をさせてしまった。


銀の瞳にいっぱいの涙を湛え、悲痛に歪められた表情。
最後に見たあの顔が、焼きついたように離れない。

全ては、俺の浅はかな甘い期待ゆえに。
決して侵してはならない領域があると知りつつ、そこに足を踏み入れ。
結果。これ以上ないほど、彼女を傷つけた。
もう、引き返せはしない。


闇の彼方から、微かに歌が聴こえてくる。
漂い、沈むに任せていた俺の意識は、唐突に、銀色の記憶の渦に呑まれた。


何かを叫ぶようにして、こちらに駆け寄ってくる翳の姿。

輝く糸の軌跡を描いて舞う、一筋の銀の光。

不吉な殺気を湛えた、ゴーストの赤い瞳。

愁いをのせて響く、シューベルトのアヴェ・マリア。


――すまない……本当に、すまない……。


激流に翻弄されながら、必死に詫びる俺の眼前で。
翳の漆黒の瞳が、なおも切なそうに揺らめいていた。


〔続く〕

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