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(株)トミーウォーカーのPlay By Web『SilverRain』『無限のファンタジア』のキャラクター達の共用ブログ。
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2017/07/27 (Thu)

やけに、気分の落ち着かない夜だった。
何をしてもろくに手につかず、早めに休もうとすれば目が冴えて眠れない。
息苦しさをおぼえた俺は、外の空気を吸おうと、軽く散歩に出ることにした。

心の乱れの原因など、とうに解りきっている。
なおも消せない、翳への想い。

拒絶されるのが怖いのではない。
再び傷つけること、それだけが怖い。

このままでは、また、いつか、俺は自分を抑えられなくなるだろう。
翳と、今は亡き彼女の婚約者の間に割って入り、二人の領域を踏み荒らす。
そうなれば、今度こそ、翳は壊れてしまうかもしれない。

――すまなかった。もう二度と、このような真似はしない。

翳に詫び、そう誓うことができたら。きっと楽になれただろう。
でも、今の俺にはできない。こんな中途半端な覚悟では、誓えない。
決着は、未だ先送りにされたままだ。


当てもなく彷徨い歩いているうち、少し大きな通りに出た。
ふと視線を向けた先、電柱の傍らに花束が供えてあるのが目に映る。
ここで誰か、交通事故で亡くなった者でもいるのだろう。
白く可憐な花束。それはまるで、花嫁が持つブーケのように見える。

瞬間。唐突に、嫌な予感が俺の胸を貫いた。

――まさか。ここに、この花束を供えたのは……。

鼓動が高鳴り、冷たい汗が背中を伝う。
左肩の傷が、ざわざわと騒ぐように疼いた。


足が、思考から切り離されたかのように勝手に動く。
いてもたってもいられず、俺は何処かへと走り出していた。

心当たりなど、ある筈もない。
行き先は、俺の両足だけが知っていた。


〔続く〕

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錆びた夢《一夜》◆age10 -Calm Moon-
凪いでいた。 あの日から悩み続けて居る胸のうちが、嘘のように静かだった。 今なら、迷わずにいけるかも知れない・・・。 ふとそんな気持ちになって、私は家をでる。
とらっくばっくたいとるURL 2007/07/25(Wed)19:38:45
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