キャラを動かして大分経つものの、ブログ記事は地味に初めてでした。
学園に来てから現状まで、色々と大きな出来事もあったのですが……流石に全部は書ききれないので、そのあたりは今後の記事の中でおいおい説明していけたらと思います。
→ルドルフ・ジルバークーゲル〔b39199〕
戦争で怪我をした。
逆侵攻を抑えに回ったはいいが、どうも俺は退き際を間違えたらしい。
気がついたら、20体以上のゴーストに集中攻撃を食らっていた。
いくら、頑丈が取り柄の『ラストスタンド』といっても限度がある。
とうとう倒れた時、俺のダメージは“生命賛歌”の力を受けてもなお、無視できるものじゃなくなっていた。
途中で戦場を退くほど、悔しいことはない。
俺の隣で戦っていたナツが、この日は最後まで大きな怪我を免れたことだけが、唯一の救いだった。
ナツ――花乃宮・奈都貴。……俺の、“彼女”。
二つ年上で、いいとこの家のお嬢様なナツが、俺のどこをそんなに気に入ったのか、よくは知らない。
ただ一つわかるのは、俺を好きだと言ってくれた、あいつの気持ちに嘘はないということ。
あいつの前でなら、俺は、少しだけ素直になれた。
狭い寮の部屋の中に、ほのかにチーズケーキの匂いが残っている。
ナツが、怪我をした俺を見舞って、作ってくれたものだった。
腹が甘いもので満たされてしまったからか、少し眠たい。
前は、眠るのが嫌だった。
“ネジ”の呪縛に囚われて、ただ人を殺し続けた過去を夢に見るから。
でも、今は。
目を閉じると、ぼんやりとナツの顔が浮かぶ。
はやくよくなってね、と、さっき言われた通りに、声も聞こえた。
――治ったら、遊びに行く約束だもんな……。
重くなった瞼の裏で、そんなことを思う。
寝よう。怪我が良くなるまで。
瞼を閉じた先の闇。あの夢は、見なかった。