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(株)トミーウォーカーのPlay By Web『SilverRain』『無限のファンタジア』のキャラクター達の共用ブログ。
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2017/10/17 (Tue)

耳に届くのは、くぐもって響く戦いの音。
目の前には、一面を埋め尽くす蜘蛛の群れ。

近くにいた仲間たちは、次々に取り囲まれて。
なす術もなく、一人ずつ倒されていく。

空ちゃんは、どこにいるんだろう?
戦いの中ではぐれて、今は姿さえ見えない。

隣にいた彩蟲ちゃんが、辰巳さん、と短く呼ぶ声が聞こえて。
同時に、太腿のあたりに熱い痛みが走って、僕は大きく膝をついた。

何度か立ち上がろうとしたはずだけど、その後のことはよく覚えていない。
暗くなる意識の中で、僕は空ちゃんの名前を必死になって叫んだ。

遠い視線の先に――血の海に沈む、空ちゃんを映して。

倒れた後、僕は空ちゃんたちと一緒にメディックの本陣に運び込まれ。
夕方が過ぎて、土蜘蛛との戦争が終わるまで。
意識が途切れるたび、僕はこの悪夢を繰り返し繰り返し見た。

伸ばした手は、いつだって届かなくて。
あの時、本当はもっと遠い場所にいたはずの空ちゃんは、僕の目の前で倒れていく。


この戦争では、多くの死傷者が出た。
死者だけで14人、重傷者の数は、改めて数える気にもならない。
ウムライで一緒だった3人の中で辛うじて無傷だったのは彩蟲ちゃんだけだったし、暇ツブの人たちも多くが怪我をした。
寅ちゃんが無事でいてくれたのは、凄く嬉しかったけれど。
改めて、戦いの厳しさを肌で感じる。


次の日、僕はウムライで“学園黙示録”に出場することにした。
メンバーは篁くんと、空ちゃんと、僕の3人。もちろん、全員が無傷じゃあない。
ただ立ってるのも辛いくらい、身体のあちこちが痛むけれど。
黙って横になって、あの悪夢の続きを見るのは嫌だった。

“能力者”になってもまだ、何もできない僕。
出会った“蟲”たちの力を、未だに使いこなすことができない僕。

戦いは、これからも続いていく。
怪我をしても、倒れても、戦わなくちゃいけない時が、きっと来る。

――だから、僕は無理を言って、チームに加えてもらったんだ。


でも、そんな僕たちを見て、寅ちゃんはひどく怒った。

「お前らは――自分の状態がわかってるのか!?」

珍しく、大きく声を張り上げて。最後に、僕の方を睨む。
怪我をした空ちゃんが無茶をするのを止めようともしないで、自分までチームに参加している。
そのことに、寅ちゃんが腹を立てているのは、よくわかった。

篁くんが間に入ってくれたおかげで、その場は一応治まったけれど。
寅ちゃんは、「勝手にしろ」と言い捨てた後、背中を向けて歩いていってしまった。


僕たちの試合は、そのすぐ後に始まり。
ほとんど何も出来ずに、僕は一撃で倒された。
傷ついた身体で勝てるほど、甘くはない。そんなことは、わかってた。

でも、戦わなくちゃいけないんだ。
弱くても、何でも、前に立たなくちゃ。
また、空ちゃんは倒れてしまう。今度こそ、あの夢が本当になってしまう。
そんなのは、嫌だ。

――強く、ならなきゃ……。

空ちゃんたちと別れて、一人で帰ろうとした時。
校門で僕を待っていたのは、寅ちゃんだった。

〔続く〕


【戦績】『傷だらけの彫像』予選2回戦目で敗退(不戦勝1回)/バトルカーニバル:0勝

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