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(株)トミーウォーカーのPlay By Web『SilverRain』『無限のファンタジア』のキャラクター達の共用ブログ。
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2024/04/20 (Sat)
空ちゃんと出会った時の話だよ。
僕が暇ツブ結社に入ったのは、これがきっかけだったんだよね。

ちょっと文が長くなっちゃったけど、ごめん。

その日、僕は一人で道に迷ってた。
僕の通っている銀誓館学園はとても大きな学校で、入学して2年が経った今でも、隅から隅まで歩いたことがない。
……だから、天気のいい日は時々探険したくなっちゃうんだよね。

気付いたら、僕は大きなログハウスの前にいた。
道はさっぱりわからないし、足はそろそろ痛いしで、困ってぼんやり立っていたら、あの子が声をかけてくれたんだ。

「んーと……誰?」
「ええと、君もだれ? というかここどこかな」

金のかかった髪に、オレンジ色の目をした女の子。
僕が訊き返すと、その子は怪訝そうに答えた。

「ここは、暇ツブ結社のログハウスだけど……?」

“結社”という言葉を聞いて、僕は少しの間考え込んだ。
こないだ空から降ってきた蟲のおかげで、僕は“能力者”になった。
“結社”は、その“能力者”が運営する組織……って、誰かに聞いた気がする。
ということは、この子も僕と同じ“能力者”ってことだよね。

そうやって納得した僕だけど、次の瞬間にはまったく別のことを口にしていた。

「……僕、もしかして侵入者?」

“能力者”が動かす“結社”って言うくらいだから、きっと凄い活動をしてるんだと思う。
そんなところに無断で入り込んじゃったら、もしかして怒られるんじゃないかなって、心配になったんだよね。

「うん……入団しにきたんだったら、まずは団長に連絡したほうが……?」

やっぱり、女の子は怪訝な顔のまま。
このままだと、僕は怪しい侵入者ってことになっちゃうなぁ……。
少し慌てた僕は、思い切って強引に話を進めてみることにした。

「そっか、入団希望者ってやつなんだね、僕」
「そんなの知らないけど……大体、迷ってここにきたっぽいのに、入団の意思があるとは思えないんだけど?」

“結社”に入団しちゃえば、少なくとも侵入者じゃないもんね。
どんなところかはわからないけど、この女の子はきっといい子だと思うから、たぶん悪いところじゃない。
僕は、人を見る目にはちょっと自信があるんだよ。

「でも、侵入者にはなりたくないから、だったら入団希望者がいいな。うん、決めた。そうしよう」
「…………」

ちょっと焦って話を進めすぎたのかな、女の子は呆れたように黙っちゃった。
こういう時は、自己紹介でもして場を和ませないとね、うん。

「僕、辰巳宣昭っていうんだ、よろしくね。テルって呼んでくれると嬉しいなあ」
「ああ……よろしく、テル?」

――僕、君の名前も聞きたいんだけどな。
そんな思いが通じたのか、女の子はすぐに名乗り返してくれた。

「ああ、ええと……高2の紅乃だよっ?」
「うん、僕も高2。ええと……紅乃、何ちゃん?」

きっと、可愛い名前だろうな。

「……空……」
「じゃあ、空ちゃんだね」

――ほらね、やっぱり。

「ああ、うん……ええと……中入る? お茶、とか」
「ありがとう。僕、あちこち歩いてさすがに疲れちゃった」

空ちゃんが気を遣ってくれたので、僕はそのままログハウスにお邪魔することにした。
中に“結社”の人がいるなら、挨拶もきちんとしておきたいしね。

「……本当に迷ってたんだ? キャンパスどこか知らないけどさ……」

言葉はぶっきらぼうだけど、空ちゃんは優しそうだ。
欲を言えば、もっと笑った顔が見てみたいなあ。これから、仲良くなれば見られるかな?
そんなことを考えながら、空ちゃんの後についてログハウスの扉をくぐる。

「直人ー! 新人さーんっ!」


――そして、僕は暇ツブ結社の“仲間”になった。

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